3大スター競演だが中味のなかった「レッド・サン」2024年01月13日 16時19分26秒

 チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン、そして三船敏郎と米仏日の3大スターが競演した西部劇が「レッド・サン(Red Sun,、Soleil Rouge、1971)です。しかも監督が007シリーズで有名となったテレンス・ヤングですから、おおいに期待して見に行ったのですが、がっかりして映画館を出た思い出があります。ストーリーとしては、列車強盗のリンク(ブロンソン)とゴーシュ(ドロン)が例によって金塊を狙って列車を襲ったのですが、その列車には日米修好条約を結ぶための徳川幕府の使節団が乗っていて、アメリカ大統領に寄贈する黄金の太刀を持っていたのです。それも一緒に列車強盗団に奪われてしまった幕府使節団は剣の達人黒田重兵衛に取り戻すように命令を下したのでした。いっぽう、ゴーシュはリンクを裏切って殺そうとしましたが、リンクは生き残り、黒田と巡り会って、二人は手を組んで黄金の太刀を取り戻そうとするのです。ゴーシュは早撃ちですが、黒田の剣はそれを上回るという設定で、なんだか日本贔屓の映画になっています。フランス、イタリア、スペイン、アメリカ合作の映画なのですが、なぜかレッド・サン(赤い太陽)がそもそも日本の国旗を象徴しています。結局は黒田がゴーシュを倒して、黄金の太刀を取り戻すのですが、だいたいアラン・ドロンがあまりガンマンに見えないのが欠点なのかも知れません。ギャング映画(フィルム・ノアール)ではぴったりの演技をするドロンですが、西部劇は似合いませんでした。それに、ブロンソンがあまり冴えなくて、それもこの映画をつまらなくしている原因かも知れません。「さらば友よ」(Adieu l’ami、1968)ではぴったりの演技を見せてくれたブロンソンとドロンでしたが、この映画ではストーリーが良くないのか、相性が悪くなってしまいました。

 キャストはほかに、ゴーシュの愛人としてウルスラ(アーシュラ)・アンドレスが出てきます。007の第1作「ドクターノオ/007危機一発」で、初代ボンドガールになった女優ですね。