松田優作の唯一の傑作「ブラック・レイン」2013年05月19日 18時26分03秒

「ブレードランナー」や「エイリアン」で有名になったリドリー・スコット監督がマイケル・ダグラスに頼まれて、日本を舞台にした刑事アクションドラマを指揮した「ブラック・レイン」(Black Rain、1989年)。マイケル・ダグラスとアンディ・ガルシア主演のアメリカ映画でしたが、松田優作の迫真の演技に食われてしまいました。日本の警察(大阪府警)のお目付け役である高倉健も松田優作の陰に霞んでしまったのでした。

個人的には、この映画こそ、松田優作という俳優の遺作となりましたが、松田にとって唯一の傑作と言えるのではないかと思っています。「蘇る金狼」などハードボイルドもので主演した松田優作ですが、それほどいい演技とは思っていません。しかし、この映画での迫力は、ガンで余命を告知された人間が最後に燃焼し尽くした演技でした。

台詞はそれほど多くないのですが、「ジャパニーズ・ヤクザ」の怖さを見せつけてくれました。本物の極道を知らないのですが、松田演じるヤクザはアメリカの刑事たちが使い走りのように見えて、松田優作の独演会というような感じさえ受けました。松田優作を初めて知ったのは、テレビドラマの「太陽に吠えろ!」ですが、ジーパン刑事はそれほど名演技とは思わなかったのです。その後、テレビから映画に活動場所を移して行きますが、それほどの演技派ではないと思っていました。しかし、この映画で、松田の演技にほんとうにびっくりしたのです。病気を知らないハリウッドからは、この後オファーが殺到したと言いますが、さもありなんと思います。

神山繁の刑事部長とか、ヤクザの親分である若山富三郎も出てきますが、私の印象に残っているのは松田優作だけです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック