詩情あふれるウエスタン「シェーン」2013年04月10日 09時06分03秒

詩情豊かな西部劇というと、あなたはどの作品を思い浮かべるでしょうか?ジョン・フォード監督の一連の作品、とくに「荒野の決闘」をいちばんにあげるかも知れません。たしかに、ジョン・フォードの作品は監督の個人的な思い入れがあって、詩情あふれる西部劇になっています。しかし、私はジョージ・スティーブンス監督の「シェーン」を第一にあげます。その理由は主人公の悲劇的な運命が描かれているからです。

流れ者シェーン(アラン・ラッド)が旅の途中で立ち寄った開拓地は悪党が支配する土地でした。そこで仲良くなった開拓農民のジョー(ヴァン・ヘフリン)とその妻マリアン(ジーン・アーサー)、そして息子のジョーイ(ブランドン・デ・ワイルド)。とくに、ジョーイはシェーンになついて、早撃ちを教わったりするのです。また、マリアンは密かにシェーンに心を寄せるのです。それを知ったシェーンは出て行くことを決意するのですが、悪党たちが農民のひとりを射殺してしまいます。そこで、シェーンは単身、悪党たちの中に乗り込んで行き、雇われ殺し屋のウィルソン(ジャック・パランス)をはじめ、悪党たちを倒しますが、シェーンも撃たれて傷を負います。

そして、シェーンは馬に乗って去って行くのですが、その後ろ姿に向かって、ジョーイが「シェーン!カムバック!」と叫ぶのです。その声はワイオミングの山々にこだまして、バックに「遙かなる山の呼び声」(ヴィクター・ヤング作曲)が流れるのです。そして、シェーンが馬上で死亡していることを暗示しつつ、この映画は終わるのでした。

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